ぐずる幼児にスマホ、感情調節に悪影響 米ミシガン大
米ミシガン大学の研究チームはぐずる幼児をなだめるためにスマートフォンやタブレットを与えると、特に男の子で感情調節の障害が増える傾向にあったと報告した。これらの端末を頻繁に使用すると、成長段階で重要な感情調節の方法を学ぶ機会が失われる可能性があると指摘する。
新型コロナウイルス流行前の2018年8月から20年1月に、3~5歳の子供とその保護者422組を対象に研究を実施した。子供を落ち着かせるためにスマホやタブレットを使った頻度、子供の感情的な反応などを調べた。研究開始時の子供の平均年齢は3.8歳で男の子が53%を占め、保護者の6割の学歴が大卒以上だった。
開始時点、3カ月後、6カ月後の結果を比べると、男の子やもともと怒りや悲しみなどの感情に激しく反応しやすい子供では、端末を与えると感情が高ぶりがちになった。感情調節障害の兆候として、悲しみと興奮の感情が急に入れ替わったり、衝動性が高まったりする傾向がみられた。
未就学児はかんしゃくや反抗を起こしやすい発達段階とされる。「ぐずる子供をデバイスで素早く落ち着かせることができれば、保護者は安心感を得られるだろう。だが、デバイスが主要もしくは定期的な解決策にならないようにすることが重要だ」とミシガン大のジェニー・ラデスキー医師は指摘する。